予防歯科
予防歯科について
私たちの考える予防歯科は、歯の噛み合わせや個々の歯の位置異常、初期の虫歯を見つけたり、現在の歯周組織(歯ぐきや、歯を支えている骨)の状態、現在の病態を判断し、また将来を予測して、予防する事を目標としています。 患者さんの生活習慣・体質などを把握し、会話をとりながら診療を進めます。衛生士が歯ぐきの検査、歯みがきの仕方などをご提案。また、小さなお子様の歯ブラシ指導も積極的に行っております。歯を守り維持するため虫歯予防、歯槽膿漏の予防に効果的です。ケア用品のハブラシやハミガキペーストなども、ひとりひとりに合ったものを歯科衛生士が処方します。ハブラシを買いにいらっしゃるだけでも、お気軽におたずね下さい。
治療内容
- ブラッシング指導
- フッ素
- 歯石除去
- P.M.T.C
- 歯のエステ
予め防ごう!ムシ歯
エナメル質のムシ歯(C1)は、エナメル質には知覚がないので、ほとんど自覚症状がありません。象牙質のムシ歯(C2)は、冷たい物や甘い物にしみたりする自覚症状が出てきます。 さらにムシ歯が進行し歯髄にまで及べば激痛が走り、結局は歯髄(歯の神経)を取る治療になります。
歯髄が無くなることは、歯の命も半分以上無くなることになり、いくら良い材料で冠 をかぶせたところで本当の歯にはかないません。不幸にもムシ歯ができたら早期治療が必要です。
しかしそれよりもまず定期検診が大切だと思います。
6月に出席した顎咬合学会で、河原英雄先生という人の講演を聞いた時、1本の歯の値打ち はいくらかというと、100万円の価値があると言っていました。そういえば、インプラント治療 は、1本何十万円もします。歯はそれよりも当然価値があります。
もし、あなたのお嬢さん が結婚する時に、28本の健康な歯があったとしたら、2,800万円の持参金付きでお嫁さんに行くことです。
それがまたあなたのお孫さんに受け継がれていくのです。子供のムシ歯の予防で大事なことは、歯だけはある程度、過保護であってもいいと思います。
健康な歯は健康の源です。正常な乳歯の噛み合わせは正常な永久歯へ導きます。 なぜ子供の時に、歯を大切にしなければならないのかといいますと、はえ始め歯は、歯はとても軟らかく、カルシウムなどの無機質が少なく、水分やコラーゲンが多く、容易にムシ歯菌の 出す酸や、噛み合わせの異常な力で破壊します。
大人になると歯は、だんだん石灰化が進み水分も少なくなり硬くもろくなりますが、ムシ歯になりにくいのです。 子供の歯は、一晩水につけた大豆、大人の歯は乾いた大豆であり、また、子供の歯のエナメル質は卵の殻、大人は、かきの殻と考えて下さい。歯の石灰化は、成長するにしたがって除々に進んでいるのです。
小学生の時に深いムシ歯で歯髄を取る治療をすると、おそらく6歳臼歯では、20才台までにその歯は失われます。
6才臼歯(第一大臼歯)は家でいうと柱です。それが失われるあなたの歯列が壊され、歯周病への道が作られるのです。
小さな頃から歯周病予防
歯周病のはじまりは、子供の時の歯ブラシ習慣、食生活の偏りや歯並びの悪さなどによる、 歯肉炎からはじまります。
歯ぐきのみに炎症がある歯肉炎や、歯を支えている歯のまわりの組織が侵される歯周病の初期にはほとんど自覚症状がありません。
歯を磨いて歯ぐきから血が出るようになると、歯周病は相当進行しています。歯ぐきからうみがでたり、口臭のある方は、さらに進行しているといえます。
みなさんは歯周病は歯ぐきの病気と考えていませんか。本当は歯を支えている骨(歯槽骨)がとける病気です。
それにより歯周病の進行状態により1度(P1)2度(P2)3度(P3)と分類しています。歯はセメント質と歯槽骨から出る繊維で連絡され、ハンモック状につり下げられていて、噛 む力に耐えているのです。
歯周病の初期にはまず、歯の根を覆うセメント質は侵され、次に 歯槽骨が侵され、歯と歯槽骨の連絡がなくなり、歯が浮いた感じとして自覚され、さらに進む と物が噛めなくなります。
歯周病の原因は、歯周病菌や過度の力が歯を通して歯根膜や歯槽骨に加わった場合に起こります。
歯周病は、プラークコントロールだけでは防ぐことは出来ません。いろいろな要素が加わって、この病気が成り立っていると考えます。
地球70億人の中で歯ブラシを使っているのはおそらく30%はいかないと思います。 不思議なことに、歯周病やムシ歯は、歯ブラシの習慣のある民族に多いのも事実です。
また歯周病は、個人によりいつも歯磨きしているのになりやすい人、歯磨きをそれほどしなく てもなりにくい人といろいろ個人差があります。
それを患者さん、歯科医、歯科衛生士とともに個人個人の予防法、治療法を考えていかなければならないと思います。歯周病もムシ歯と同じで最初は自覚症状もなく、進みます。定期検診と早期治療が必須だと 私たちは考えます。
あなたも治療から予防へ考えを変えてはどうでしょうか。
歯と歯周組織の構造
【エナメル質】
歯の表面を覆っている硬い組織95%以上が無機質(リン酸カルシウム)。
食物をかみ砕く働きをします。
【象牙質 】
コラーゲンを含む弾力性のある組織。
表面にあるもろいエナメル質の破損を防ぐ柔軟性をもつ重要な働きをもつ歯髄と密接な関係を持ち、知覚があります。ムシ歯がここに達すると進行が一気に早まります。
【歯髄】
一般に歯の神経といわれる組織で血管が多く、歯の栄養を司り、歯の成分であるカルシウム、リンをエナメル質、象牙質に運んで歯を硬くしています。
ムシ歯が進行して歯髄を取ってしまうと歯に栄養が行かなくなるので、歯がもろくなり寿命が短くなります。
【セメント質】
歯根を覆っている骨に似た硬組織で、歯槽骨に繊維をわたしています。
【歯根膜】
歯を歯槽骨に付着させている靱帯で、歯を骨にハンモック状に吊しています。
【歯槽骨】
歯を支えている骨、またセメント質に繊維をわたしています。
【歯肉 】
ふつう歯ぐきと呼ばれ、歯の周囲を取り巻き歯槽骨に堅固に付着しています。
歯槽骨を覆う粘膜のカバーと理解するといいでしょう。
歯髄はどうして大切?
歯髄にはたくさんの血管が通っていて、歯にカルシウムなどの栄養を運び、丈夫にする働きがあります。
■ 歯髄がなくなると……
歯に栄養が届かず、水分が失われるので、歯は枯れ木のようにもろく欠けやすくなります。そのため、大きな虫歯で歯髄をとらなくても良いように、予防が大切です。
歯周病治療はとっても大切!
歯周病により土台(歯を支えている組織)がグラグラになっていると、家(歯)は安定しません。 | |
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歯周病を治療して、土台をきちんと作りましょう。 | |
しっかりとした土台の上には頑丈な家が建つように、健康な組織には丈夫な歯が入ります。 |
予防歯科の治療の流れ
当院では、患者さんの生活習慣・体質などを把握し、コミュニケーションをとりながら診療。
歯科衛生士が歯ぐきの検査、歯みがきの仕方などを提案していきます。
一度の撮影で歯、顎骨、顎間接、上顎洞といった、顔全体の写真が撮れます。そのため、病気の全体像の把握に適しています。
上下の歯のかみ合わせ・不正咬合の有無・歯ぎしりなどによる歯の減り具合・むし歯、歯周病の進行状態などを調べます。
歯ぐきの溝の深さ、出血の有無、歯の動き、
歯の汚れを調べます。
口腔内の写真を撮影します。
お口の中に歯周病の病原菌やカビ菌がいるかなどを調べます。
歯石や着色などの汚れを、痛みのないエアスケーラーやエアフローで取り除きます。
研磨剤と柔らかい清掃器具を使って、仕上げ磨きを行います。